大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(オ)88 判決

主 文

本件上告を棄却する

上告費用は上告人等の負担とする。

理 由

上告人等訴訟代理人の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりであるが、原審はD

は「被控訴人とは何等の了解なく唯運送事務に事実上従事した運転手E個人の好意

によつて運搬を受けたに過ぎないものと認めるを相当とすべく、本件に顕われたす

べての資料によるも……控訴人と被控訴人との間に運送契約が締結せられた事実を

肯認することは出来ない」と判示して居るのである。「被控訴人とは何等の了解な

く唯運送事務に事実上従事した運転手E個入の好意によつて運搬を受けたに過ぎな

い」とは即ち、Eは(一)被控訴人を代理して運送契約を締結する権限もなく、(

二)被控訴人を代理して意思表示をしたのでもなく、(三)E個人としても運送契

約を締結したのでもなく、只好意上事実上運搬したに過ぎないという意味である。

しかして本件請求が是認されるためには、(一)Eが被上告人の代理人として意思

表示をしたこと、(二)代理権か存在したこと、(三)事実上の運搬でなく運送契

約が成立したものであること等は総て上告人において立証しなければならない事項

である。しかるに原審は右の事実は認められないとしたものであり、Eの代理権の

一点だけでもそれが認められない限り本件請求は容認出来ず、原判決主文はそれだ

けで維持されるのである。しかして論旨所論の諸点がどうであろうとも、それによ

つて右代理権が認められることにはならないものであるから論旨は総て理由なきに

帰する(本件の如き場合単なる自動車の運転手が主人を代理して運送契約を締結す

ベき権限など有しないのが通常であるこというを俟たない。)

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見を以て主文

のとおり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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