大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(ク)78 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

本件抗告の要旨は。

原裁判所は、保険金支払の義務履行地の認定を誤り、且つ、民法一〇九条、民訴

九条を誤解したため抗告人の相手方に対する保険金請求事件について、甲府地方裁

判所に管轄権なしとして、同裁判所のなした東京地方裁判所への移送決定を維持し

たものであつて、その結果、抗告人はその経済状態からして訴訟を追行し得ざるに

至り憲法三二条の裁判を受くる権利を奪われるに至る。

というに在るが、

原審の事実認定の不当なることを前提として、憲法違反を主張をしても、それは

民訴四一九条の二の違憲の主張に当らないし、又、所論のように原決定に民法一〇

九条、民訴九条の解釈の誤があると仮定しても、憲法三二条は、凡て国民は憲法又

は法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける権利を有し、裁判所以外の機

関によつて裁判をされることはないことを保障したものであつて、訴訟法で定める

管轄権を有する具体的裁判所において裁判を受ける権利を保障したものではない(

昭和二三年(れ)年五一二号同二四年三月二三日大法廷判決参照)から、抗告人の

主張は理由がない。

よつて本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人の負担とすべきものとし、主文のと

おり決定する。

昭和二六年二月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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