大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1506 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

(一)被告本人の上告趣意(後記)は刑訴四〇五条所定の事由に当らない。

(二)弁護人広田晋一の上告趣意(後記)第一点に対する判断。

論旨は違憲の主張であるが憲法三六条にいわゆる「残虐な刑罰」とは人道上残酷

と認められる刑罰という意味であつて事実審の裁判官が普通の刑を法律において許

された範囲内で量定した場合においてはそれが被告人の側から観て「過酷」と思わ

れるものであつても憲法にいわゆる「残虐な刑」にあたらないことは既に判例(昭

和二三年(れ)第三二三号昭和二三年六月二三日大法廷判決集二巻七号七七七頁参

照)の認めているところであるから右の判例に照らし所論は理由がない。

同第二点に対する判断。

論旨は前同様違憲の主張であるが原判決について所論の点を検討しても量刑不当

の控訴趣意に対する判決理由として何等非議せられるべきものはない‐即ち原審が

本件記録(勿論第一審において取調べた証拠を含む)に顕われている被告の性行、

経歴、境遇、犯罪の状況殊に取引物件の数量その他によつて第一審判決の量刑が相

当であると判断していることは原判決自体によつて明らかであつて若し所論が第一

審判決のような事実摘示の必要を主張するものであるとすればそれは新刑訴の下に

おける控訴審の性格がいわゆる事後審であることを知らない議論である。従つて所

論違憲の主張はその前提を欠くものといわなければならない。

その他記録を精査しても本件は刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い裁判官全員一致の意見により主文のとおり

判決する。

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昭和二七年一一月一一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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