最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1768 判決
主 文
本件上告を棄する。
理 由
弁護人小玉治行同丹波景政の上告趣意(末尾添付別紙記載)第一点の一(一)、
(二)及び同第三点は、いずれも刑訴四〇五条所定の事由にあたらないから、適法
な上告理由とならない。
同第一点の(三)及び第二点に対する判断。
論旨援用の判決は昭和二二年勅令第一号一五条一項にいわゆる「政治上の活動」
とは「原則として……現実の政治に影響を与えると認められるような行動をするこ
とをいう」と判示しているのであつて、所論の如く「直接の影響を及ぼす行為のみ
を指称する」とは判示していない。直接間接に影響を及ぼすものと認められるよう
な行動を指す趣旨である。従つて、原判決が当裁判所の判例に違反するとの論旨は
右判決の趣旨に対する誤解から出たもので理由がない。その余の論旨は刑訴四〇五
条所定の上告理由に該当しない。
弁護人木村賢三の上告趣意(末尾添付別紙記載)第一乃至五点は、昭和二二年勅
令第一号一五条一項にいわゆる「政治上の活動」の解釈又は刑事訴訟法の解釈に関
するもので、いずれも刑訴四〇五条所定の上告理由に該当しない。
同第六点は、原判決は被告人の公平な裁判を受ける権利を奪い、憲法三七条違反
であると主張する。しかし所論はその実質において訴訟法違反を主張するにすぎな
いのであり、憲法三七条に「公平な裁判所の裁判」というのは組織構成等において、
偏頗の虞なき裁判所の裁判を指すもので、所論のような場合がこれに該当しないこ
とは当裁判所の判例に徴し明らかである。(昭和二二年(れ)第一七一号、同二三
年五月五日大法廷判決参照)
なお、記録を調べると、原審最終の判断は結局正当と思われ、原判決を破棄しな
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ければ著しく正義に反するものと認むべき法令違反、事実誤認があると思えない。
(選挙運動に関する政治上の活動に関しては昭和二六年(あ)第一三一九号、同年
五月三一日第一小法廷決定参照)
よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見を以つて主文のとおり判決
する。
昭和二六年七月三日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
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