大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1922 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人栗原彰人の上告趣意並びに被告人Bの上告趣意は、いずれも量

刑不当の主張であつて適法な上告理由とならない。

被告人Cの弁護人村上信金の上告趣意について。

所論は、原判決は引用の当裁判所又は高等裁判所の各判例と相反する判断をした

ものであるというが、原判決は同被告人の原審弁護人の控訴趣意(事実誤認)を排

斥して、第一審判決認定の事実はその挙示引用の証拠に徴し十分認定できるといつ

ているだけで、なんら所論引用の各判例と相反する判断を示していないのであるか

ら、論旨はその前提を欠き理由のないこと明らかである。

なお論旨を仔細に検討し記録を調べてみても、第一審判決が被告人Cの第一審公

判廷の供述として摘録引用するところが不真実であるとか、証拠の趣旨を歪曲した

ものであるとの非難はあたらないし、第一審判決の採証及び事実認定が実験則に反

するものとも認められない。次に、所論Dの証言についても第一審判決がその証言

の趣旨を曲げて摘録引用したものとは解されない。そして又所論E同Fの証言につ

いてはなるほど被告人の供述を内容とする部分があるが同人等の供述は刑訴三二四

条三二二条により証拠能力を有するものとして採用されたものと認められる。更ら

に又第一審判決は第一審共同被告人Bの供述だけで被告人Cに対する犯罪事実を認

定したものではなく、右供述とその引用の他の証拠とを綜合して事実を認定してい

るのであるからこの点を非難する主張もあたらない。その他同四一一条を適用すべ

き事由は認められない。よつて、同四〇八条により全裁判官一致の意見で主文のと

おり判決する。

昭和二八年三月一〇日

- 1 -

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!