大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1929 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人滝川三郎の上告趣意は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(論旨中第

一審第二回公判において、検察官が被告人に対し犯罪事実について質問したことは

違法であつて、第二回公判調書は無効であるとの趣旨の記載があるけれども、所論

は、原審において控訴趣意として主張、判断されていないのみならず、記録による

と、第一審第一回公判で検察官から公訴事実につき取り調べ請求がなされた証拠の

うち、柔道整復師A作成の治療証明書は同公判において証拠調がなされ(記録第一

六丁)、第一審第二回公判において、証人B(被害者)の取り調べがなされた後、

すなわち犯罪事実に関する補強証拠が取り調べられた後に、前示検察官の被告人に

対する質問―被告人は検察官の公訴事実についての質問を否認し、自白していない

―が行われているから、所論の訴訟法違反も認めることができない。(昭和二五年

(あ)第三五号同年一二月二〇日大法廷判決、集四巻一三号二八七〇頁))。また

記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和二七年一二月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

- 1 -

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!