大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)2005 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人吉崎勝雄の上告趣意について。

所論は原審が被告人に対して弁護人選任照会書を出さなかつた点を捉えて、憲法

三七条三項に対する違反と主張するのであるが、憲法三七条三項前段所定の弁護人

に依頼する権利は、被告人が自ら行使すべきものであつて、同条項は裁判所が被告

人に対し国選弁護人の選任を請求し得る旨を告知すべき義務を課したものではなく、

裁判所は被告人にこの権利を行使する機会を与え、その行使を妨げなければいいの

である(昭和二四年(れ)第二三八号、同二四年一一月三〇日大法廷判決)。然る

に本件記録を調べてみると、被告人は第一審裁判所の弁護人選任に対する通知に対

し弁護人は私選する旨回答し、且つ弁護人を私選し、原審においても国選弁護入の

選任を請求せず、自ら控訴趣意書を提出し、原審が選任した国選弁護人は原審法廷

において異議なく被告人提出の控訴趣意書にもとずいて弁論しているのである。し

てみれば所論の理由なきこと、右の判例に照してみて明らかである。(なお昭和二

五年(あ)二四三一号同二六年五月一五日第三小法廷判決参照)。

なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い、裁判官全員一致の意見を以て、主文のと

おり判決する。

昭和二七年一二月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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