大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)2440 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人端元隆一の上告趣意は末尾に添附の別紙記載のとおりである。

上告趣意第一点について。

所論は、業務上横領罪における費消横領の罪となるべき事実の判示が抽象的であ

るから原判決の判示は、憲法三一条刑訴三三五条一項に違反すると謂うのであるが、

原判決は指摘の点については具体的になされているものと認められるから所論の刑

訴違反はなく従つて憲法違反の論旨は前提を欠き採るを得ない。

同第二点について。

自白を補強する証拠はその自白を洩れなく裏付け得るものであることを必要とせ

ず、自白とその補強証拠と相俟つて犯罪事実の全体を肯認するを得るものであれば

足りることは当裁判所の再三判例とするところである。原判決の挙示する証拠を綜

合すれば所論の差額金の部分についても被告人がこれを占有していた事実と共にこ

れを肯認することができるのであるから原判決には所論の如く自白のみによつて犯

罪事実を認定した違法はなく、論旨憲法違反の主張は、その前提を欠くものである。

同第三点について。

論旨は、量刑不当の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

なお記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年二月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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