最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)2508 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
弁護人石坂繁の上告趣意(後記)に対する判断。
論旨第一点について。
憲法三七条一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは、偏頗や不公平のおそれ
のない組織と構成をもつた裁判所による裁判を意味するものであつて、個々の事件
につきその内容実質が具体的に公正妥当なる裁判を指すものでないこと、従つて量
刑不当を憲法上新に上告理由となすことができるとした趣旨の規定ではないこと当
裁判所大法廷判決の示したとおりである(昭和二二年(れ)四八号同二三年五月二
六日大法廷判決)。されば本件において被告人等に対して刑の執行猶予を言渡さな
かつた原判決が憲法三七条一項に違反するとの論旨は理由がない。
同第二点について。
所論は、刑訴四〇五条の上告の事由があることを主張するものではない。また、
本件は同法四一一条を適用すべき場合とも認められない。
よつて、刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和二八年二月一〇日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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