大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)3219 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

所論の中には、判例違反を主張する部分もあるが、記録によれば、原判決に説示

する如く、第一審判決挙示の証拠により適法に本件犯罪事実を認定することができ

るのであつて、右の如き事実認定は、所論引用の判例にいうところの、証拠調をし

ない証拠を事実認定の資料に供した場合に当らないこと記録に徴し明白であるから、

原判決には所論の如き判例違反はない。その余の所論は、事実誤認の主張(この点

の理由なきこと右の説示参照)を除き、いずれも原判決自体の法令違反を主張する

ものではないから、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人川合安朗の上告趣意第一点及び第二点について。

所論はいずれも単なる法令違反の主張で、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

しかも被告人本人の上告趣意に対し説示した如く、第一審判決挙示の証拠により適

法に本件犯罪事実を認定し得るばかりでなく、原審公判調書によると、原審は、事

実の取調をなすことゝし、職権を以て証人Aを尋問する旨決定し、検察官及び弁護

人の一任を得て右証人を現場において尋問することゝし、その尋問当日には、被告

人及び弁護人が立会し、被告人自ら反対尋問もしているのである。そしてその後の

公判においては、右証人尋問調書が証拠として取調べられ、これに対し被告人自身

の意見開陳があり、当事者双方の弁論、被告人本人の最終陳述を経て弁論を終結し

ているのである。以上の経過に徴し、原審の訴訟手続には何等の違法もないから、

原審が右の如き事実取調の結果を判断の一資料としたからといつて、これを違法と

いうことはできない。従つて論旨第一点及び第二点とも採用するを得ない。

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また記録を調べても同四一一条を適用して原判決を破棄すべきものとは認められ

ない。 よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり

判決する。

昭和二八年五月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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