大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)350 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人中村敏夫の上告趣意第一点について。

論旨は原審の量刑が甚しく不当であると主張するものであつて、刑訴四〇五条の

適法の上告理由にあたらないし、又記録を調べても刑訴四一一条二号を適用して原

判決を破棄すべき案件とも認められない。

論旨は理由がない。

同第二点について。

しかし第一審における量刑は不当に過重であるとの控訴趣意に対して原審は「訴

訟記録に現われた各般の事情を参酌しても、原審(第一審の意)が被告人に対して

懲役一〇月に処したのが重過ぎるとは認められないから、この論旨も理由がない」

と判断したに過ぎないのであつて、論旨主張のごとく原審が本件について実刑を科

したのは被告人に前刑があることを考慮したためであるとの判断を下したわけでは

ないのである。

従つて論旨はその主張の前提を欠くので理由がないものというべく、尚事実審の

裁判所が普通の刑を法律において許された範囲内で量定した以上、直ちに憲法三六

条にいわゆる「残虐な刑罰」と称することはできないのであるから(昭和二二年(

れ)三二三号、同二三年六月三〇日大法廷判決。判例集二巻七号七七七頁参照)、

この点からいつても論旨を容認し難いこと明白である。

よつて刑訴四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決

する。

昭和二七年七月一日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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