大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)3612 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人岸永博の上告趣意について。

論旨は、単なる法令違反の主張で、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。しかも

所論控訴趣意書の記載が、かりに事実誤認の主張を含み、従つて原判決に判断遺脱

の違法があるとしても、記録に基き第一審判決挙示の証拠を検討すると、被告人が

本件注射液を麻薬と知りながら不法に所持した判示事実を優に認定することができ

るのであるから、右の如き違法は、未だ刑訴四一一条を適用して、原判決を破棄す

るに足る事由とは認められない。従つて論旨は採用するを得ない。

被告人本人の上告趣意第一について。

論旨は、本件起訴前の捜査手続に関する非難で、原判決の法令違反を主張するも

のでないから上告理由として不適法である。

同第二について。

論旨は、原審において主張せず従つてまた原審の判断を経ない事項に関するもの

で、上告理由として不適法である。しかも岸永弁護人の上告趣意に対し説示した如

く、第一審判決挙示の諸証拠(被告人の自白その他の補強証拠を含む)に照し、本

件犯罪事実を認定することができるのであるから同判決には、被告人の自白のみで

有罪とした違法はない。論旨は採用できない。

同第三及び第四について。

論旨第三は単なる法令違反の主張、同第四は量刑不当の主張で、いずれも刑訴四

〇五条の上告理由に当らない。

なお、本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

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よつて、刑訴四一四条三八六条一項三号一八五条一八一条に従い、裁判官全員の

一致で主文のとおり決定する。

昭和二八年四月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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