最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)3988 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人寺井俊正の上告趣意は、末尾に添付の別紙記載のとおりである。
上告趣意第一点について。
所論は憲法三一条違反を主張するけれども、その実質は単なる刑訴法違反の主張
に帰し、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。のみならず、被告人の司法警察員
に対する供述調書を単にその記載内容を証拠として取り調べる場合には、その書面
は刑訴三〇五条のいう「証拠書類」として同条の定める取り調べの方式によれば足
りるものであることは、当裁判所の判例とするところであつて、原判決に所論の違
法もない。(昭和二五年(あ)二九六二号同二七年五月六日第三小法廷判決、集六
巻五号七三六頁、昭和二六年(あ)一七七七号同二七年六月二六日第一小法廷決定、
集六巻六号八六〇頁、昭和二六年(あ)二九一号同二七年一二月二六日第二小法廷
判決参照)
同第二点について。
所論は採証法則違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。ま
た、原判決の判断に所論のような採証法則違反も認められない。(所論引用の判例
は本件に適切でない。)同第三点について。
自白以外の証拠によつて、犯罪が現実に行われた客観的事実が裏書され、自白と
他の証拠と相待つて全体として犯罪構成事実を認定し得るかぎり、被告人の自白の
各部分につき一々補強証拠がなくても、憲法三八条三項に反するものでないことは、
当裁判所のくりかえし判例とするところである。(昭和二三年(れ)七七号同二四
年五月一八日大法廷判決、集三巻六号七三四頁、七三八項参照)従つて、所論の点
に関する原判決の判断に違法はなく、所論は理由がない。
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同第四点について。
所論は事実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
また記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
よつて同四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和二八年三月三日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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