大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)4004 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人中島武雄の上告趣意について。

論旨は原判決の判例違反を主張するけれども、原判決は量刑不当を主張した控訴

趣意に対して「原審の科刑が重すぎるものとは認められない」と判示しているだけ

であつて、所論判例に反する判断を示しているのではないから採用できない。その

余の論旨は単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

なお第一審判決の認定した六つの犯罪事実中第一乃至第四の所為は昭和二四年一

月一七日乃至同月二六日の間のことであつて、罰金等臨時措置法施行期日たる同年

二月一日以前の行為であるから、新旧両法の定める罰金刑を比照した上、軽い旧法

を適用すべきであるにかかわらず、第一審判決が重い新法を適用して処断したのは

違法たるを免れないこと所論のとおりである。しかし前記六つの犯罪の中前の四つ

につき旧法を適用するとしても、後の二つについては新法が適用されるのであるか

ら、被告人に科せらるべき罰金は、刑法四八条二項により、各罪につき定めた罰金

の合算額即ち十万四千円以下において処断せられることゝなる。しかるに第一審判

決及びこれを維持した原判決は被告人を罰金五千円に処したのであるから、これは

本件犯情に照らして刑の量定が甚だしく不当であるとは言えず、刑訴四一一条によ

り原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。論旨引用の

当裁判所の判例(昭和二五年(あ)第一四〇〇号同二六年七月二〇日第二小法廷判

決)は、新旧両法を比照した上軽い旧法を適用して罰金刑については千円以下で量

定しなければならない場合であるにもかかわらず、新法を適用して罰金一万円を量

定した原判決を破棄したものであつて、本件に適切でない。

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よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二八年四月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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