大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)4093 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人溝渕亀澄の上告趣意(後記)第一点について、

原判決は、被告人が逮捕状発布前の昭和二五年一〇月一二日(逮捕状の発布は同

月一三日)妻地区警察署に出頭取り調べを受けたことは認められるが、同日直ちに

留置されたという事実はその引用の証拠によつて認められない。そして所論の供述

調書は逮捕状に基く適法な拘禁中に作成されたものであるから、不法拘禁の事実を

前提とする主張は採用できない。次に又被告人の司法警察員に対する供述が強制拷

問によるものであるとの事実はその引用の証拠によう認められないとしているので

ある。従つて、所論は原審の右認定を非難する主張に帰するのみならず、被告人の

供述調書が不法拘禁中に作成されたとの一事を以つて、その証拠能力を否定すべき

ものでないことはすでに当裁判所の判例の示すところである(昭和二六年(あ)四

六八号同二七年一一月二五日第三小法廷判決参照)。しかも、本件記録によれば被

告人の司法警察員に対する供述が、強制、拷問に基くものとは認められないこと原

判決の説示するとおりであるから、所論憲法違反の主張はその前提を欠き理由のな

いこと明らかである。同第二点は結局事実誤認、第三点は単なる訴訟違背の各主張

であつていずれも適法な上告理由にあたらない。

なお記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて、同四〇八条により全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年二月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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