大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)4502 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人Aの上告趣意及び同弁護人日下文雄の上告趣意は後記のとおりである。

被告人の上告趣意について。

所論第一点は、本件起訴状が法定の記載要件を欠くという理由を前提として原判

決が憲法三一条及び七六条三項に違反すると主張するのであるが、実質は刑訴法違

反に帰し刑訴四〇五条の適法な上告理由と認めることはできない。そして食糧管理

法違反事件の起訴状に法定の除外理由がない旨の記載がないからといつて、それだ

けで直ちにこれを違法とし無効と解すべものでもない(昭和二四年(れ)第七一七

号同年九月一五日第一小法廷判決三巻一〇号一五八七頁参照)。また第二点は第一

点の刑訴法違反の主張とともに本件の米はBでなくその妻Cに譲渡したのであると

いう原判決の認定していない独自の事実を主張し原判決の事実誤認を非難するので

あつて適法な上告理由にあたらない。

弁護人日下文雄の上告趣意について。

第一点ないし第四点の所論はいずれも刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。(

なお第一点の起訴状の記載要件に関する主張については被告人本人の第一点につい

て説明したとおりである。また第三点は被告人の本件行為は貸与であつて譲渡でな

いという前提の下に貸与は罪とならないと主張するのであるが、原判決の認定して

いない独自の見解に立つものであつて採用することができない。そして原判決の維

持する第一審判決の判示一の行為が食糧管理法施行規則二三条に違反すること明ら

かである以上、刑訴四一一条を適用して原判決を破棄すべきものとは認められない。)

その他記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき理由は認められない。

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よつて同四〇八条、一八一条により全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年四月二一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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