大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)4620 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岡本繁四郎の上告趣意(後記)第一点について。

所論は、第一審判決摘示の第二の事実について、Aは判示の如く虚偽の証言をし

て偽証したのではないから、被告人の偽証教唆罪は成立しないと前提して、原判決

の憲法違反を主張するのであるが、右事案に関し、第一審判決に掲げる諸証拠を仔

細に検討するに、これらの証拠により、Aが被告人の教唆に基き、ことさらに判示

の如き内容虚偽の証言をして偽証をなした事実を肯認することができる。この点に

関する原判示は正当であるから、被告人が右の如き偽証教唆罪の責任を負うべきは

当然である。所論は従つてその前提を欠き、採用するを得ない。

同第二点について。

記録に基き第一審判決に掲げる諸証拠を仔細に検討するに、証人B、同A等の第

一審公判廷における供述その他の証拠に照し、右両名が同判決に判示する如く、被

告人の教唆に基き、ことさらに内容虚偽の証言をなして偽証した事実を首肯するこ

とができる。従つて被告人が偽証教唆罪の責任を負うべきは当然であつて、右偽証

をした両証人が偽証罪で起訴されているかどうかは、右被告人の罪責の有無にかゝ

わりのないことである。しかも第一審裁判所は、前記の如く右両証人を同審の公判

廷において尋問し、その供述や他の諸証拠を綜合して、適法に、これらの証人が被

告人の教唆に基き偽証した事実を認定しているのであつて、所論の如く、検察官に

よる右両名の偽証罪の認定を無批判的に容認したものでないことは明白である。所

論は独自の見解に過ぎない。論旨はまた刑訴二四八条の憲法違反を云為するのであ

るが、それは右の如き独自の見解に立脚するものであり、しかもそのことは結局に

おいて、原判決の適否に何等の影響もないことであるから、論旨は総て採用するこ

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とはできない。

また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二八年五月一九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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