最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)4735 決定
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人坂吉兵衛の上告趣意(後記)第一点について。
所論は判例違反を主張するが、その実質は単なる法令違反の主張であつて適法な
上告理由にあたらない。(所論は、被告人はたばこの監視員としてたばこ専売法違
反事件について独立の告発権限がないから被告人の本件所為は職務に関しないとい
うのであるが、自ら独立の告発権限がなく上長の指揮命令を受けて告発に関する事
務を取扱う場合であつても、収賄罪にいわゆる職務に関するものというべく、この
点に関し第一審判決の判示するところは、その引用の証拠に照して認めるに十分で
あつて、原判決には所論のような違法はない。なお引用の当裁判所判例は本件に適
切でない。)
同第二点は事実誤認の主張であつて適法な上告理由にあたらない。
同第三点について。
原判決は、被告人がたとい第一審判決判示の各供与を受けた酒を他人と共に飲ん
だとしても、それは収賄罪成立後のことであるから、その共に飲酒した身分のない
他人を収賄罪の共犯とすることはできない。従つて第一審判決が被告人に対し所論
の追徴を科したのは正当であるというのであつて、所論引用の判例と相反する判断
をしているのではない。それゆえ判例違反の論旨は前提を欠くことに帰し適法な上
告理由にあたらない。 (所論引用の判例は収賄者が賄賂を贈賄者に返還した場合
に関するものであつて本件に適切でない。)
なお記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。
よつて同四一四条三八六条一項三号により全裁判官一致の意見で主文のとおり決
定する。
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昭和二八年四月一四日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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