大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)1199 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐藤久四郎の上告趣意は末尾添付別紙記載のとおりである。

同第一点について。

他人名義の転出証明書を利用して、右名義人が某方に同居していないに拘らず同

居人の如く虚偽の届出をし、右某の家庭用飯米購入通帳にその旨の登録を受け食糧

営団配給所係員に対し、恰も正当な同居人の配給を受けるものの如く装い、係員を

欺き配給名下に主食の交付を受けたときは、詐欺罪が成立するのであつて、右名義

人が実在し、その居住地において主食の配給を受けていたか否か、又その権利を有

していたか否かということは何ら同罪の成立に消長を及ぼすものでない(昭和二三

年(れ)第五〇八号、同年一一月四日第一小法廷判決参照)。そして、被告人が所

論A外三名から転出手続の遅延その他の一時的な理由により居住地外における主食

受配の委託を受けたというが如き特段の事情は、原判決においてこれを認定しなか

つたことは原判文上極めて明かでめる。従つて、原判決には所論のような違法はな

い。

同第二点について。

憲法三七条二項は被告人又は弁護人の申請する証人は裁判所が必要と認めないに

拘らず、なおすべて之を喚問し被告人側に之が審問の機会を与えなければならない

という趣旨の規定ではない(昭和二二年(れ)第二五三号、同二三年七月一四日大

法廷判決、昭和二三年(れ)第二三〇号、同年七月二九日大法廷判決参照)。なお、

原判決は所論Aの供述を証拠としていない。従つて原判決には所論の如き違憲違法

はなく論旨は理由がない。

よつて、旧刑訴四四六条に従い、全判官一致の意見を以つて主文のとおり判決す

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る。

検察官 田中巳代治関与

昭和二六年九月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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