大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)247 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人A上告趣意は末尾に添附した別紙記載の通りである。

第一点について。

窃盗罪における被害物件の判示としては、窃取された財物の何たるかを明らかに

すれば十分なのであつて、その価格までも認定しなければならないものでないこと

は当裁判所判例の示すところである、論旨は理由がない(昭和二三年(れ)第七九

二号同年一一月一八日第一小法廷判決参照)。

第二点について。

原判決が証拠に挙示した証人Bの供述調書中「私方の瓦を勝手に持つて出ていた」

旨の記載により被告人の所為は窃盗罪に該当することを認め得る。右Bの供述調書

中「弁償として千二百円貰つた」旨が記されており又「瓦代として千二百円貰つた」

旨の記載あることは所論の通りである。しかしBは被告人に瓦を売つたとは述べて

おらないし、又被告人はBから本件瓦を買取つたものであることは原審で認定して

いない。従つて原審においては瓦代として千二百円貰つたというのは瓦の売買代金

として受取つたものではなく瓦の弁償として受取つた意味に解したものと認められ

る、そしてその認定は相当であるから論旨は採用できない。

第三点、第四点について。

論旨は結局原審の自由裁量にゆだねられている事実認定と証拠の取捨判断を非難

することに帰し採用できない。

よつて旧刑訴四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 田中巳代治関与

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昭和二六年五月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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