大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)339 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人川島英晃の上告趣意第一点、第二点について。

しかし被告人の当該公判廷外における自白を証拠として犯罪事実を認定するには

補強証拠を必要とするけれども、その犯罪構成事実の全部に亘つて一々これが裏付

となる補強証拠を必要とするものではなく、要はその自白の真実性を保障するに足

る他の証拠があれは足りるのであつて、殊に賍物罪において犯人が賍物たるの情を

知つていたかどうかというがごとき、いわゆる犯罪の主観的要件に属するものにつ

いては、その直接の証拠は当該公判廷外の被告人の自白のみであつてもその客観的

構成要件たる事実について他に確証があつて、右被告人の自白の真実性が保障せら

れると認められる以上、それ等の各証拠を綜合して犯罪事実の全体を認定すること

は適法であること、夙に当裁判所が判例とするところである(昭和二四年(れ)第

八二九号、同二五年一一月二九日大法廷判決、昭和二三年(れ)第一四二六号、同

二四年一〇月五日大法廷判決参照)。しかして本件においては当該公判廷外の自白

としては、第一審公判調書中の被告人の供述記載あり、客観的要件を証するものと

しては盗難始末書及び買受始末書が存するから、以上の証拠を綜合して犯罪事実を

認定した原判決に所論のような違法ありということはできない。論旨はいずれも理

由がない。

同第三点について。

原判決書における、当該判事の署名は「A」と判読せられないことはなく、仮に

右の「之」の一字を欠如していたとするも同一人であることは明白であるから所論

のごとき違法ありと解することはできない。論旨は採用できない。

よつて旧刑訴四四六条により、主文のとおり判決する。

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この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 十藏寺宗雄関与

昭和二六年六月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判長裁判官長谷川太一郎は差支えのため署名捺印することができない。

裁判官 井 上 登

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