大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)48 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍛治利一の上告趣意第一点について。

本件のような手段による不正受配の場合には、所論のように食糧緊急措置令一〇

条を適用すべきでなくて、刑法詐欺罪の規定を適用して処断すべきものであること、

又このような場合にはたとい配給品の公定代金を支払つてもなお詐欺罪が成立する

ことは、共に当裁判所の判例(それぞれ昭和二三年(れ)第三二九号同年七月一五

日第一小法廷判決及び昭和二二年(れ)第六〇号同二三年六月九日大法廷判決参照)

の示すとおりである。論旨を精読してみても今なお右の判例を改める必要を認めな

いから、論旨は採用することができない。

同第二点について。

原判決が理由第一に摘示の事実を認定するために証拠として採用した被告人提出

の顛末書、被告人に対する司法警察官の聴取書、A提出の詐欺被害届書等の記載に

よれば、被告人が世帯主B及び同C名義の配給通帳で騙取した醤酒の量は合計四斗

五合であることがわかる。しかるに第一審判決は右と同じ資料を事実認定の証拠と

しながら「四斗五升」と判示しているから、これは誤記であることが明らかである。

原判決は第一審判決の誤記を引き継いで同様の誤記をしたものと思われる。原判決

の「四斗五升」という記載が「四斗五合」の誤記であるとすれば、原判決には所論

のような違法はなく、論旨は理由がない。

以上の理由により旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 竹内壽平関与

昭和二六年四月一〇日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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