大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)488 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鈴木義男同河野太郎の上告趣意第一点について。

原判決は被告人の原審公判廷における自白を唯一の証拠として、判示第二乃至第

四及び第七の収賄の事実を認定していることは所論のとおりであるが、右のごとき

自白は憲法三八条三項にいわゆる自白に当らないことは、当裁判所大法廷判決(昭

和二三年(れ)第一六八号同年七月二九日判決)の示すところである。また原判決

は被告人の原審公判廷における金員授受の趣旨以外の事実についての自供と、被告

人の司法警察官または副検事の聴取書記載の金員授受の趣旨に関する自白とを綜合

して判示第一、第五及び第六の収賄の事実を認定していることも所論のとおりであ

るが、被告人の公判廷外における自白と公判廷における供述と相俟つて犯罪事実を

認定しても憲法三八条三項に違反するものではなく、なお犯罪の主観的要件に属す

る事実についての被告人の公判廷外の自白とその客観的要件に属する事実について

の被告人の公判廷における自白とを綜合して犯罪事実を認定することもまた憲法三

八条三項に違反するものでないことは、当裁判所大法廷判決(昭和二三年(れ)第

一七四四号同二五年一〇月一一日、昭和二四年(れ)第八二九号同二五年一一月二

九日各判決)の認めるところである。所論引用の判例はいずれも論旨に適切でなく、

原判決に所論のごとき憲法違反乃至判例違反はないのであるから、論旨は理由がな

い。

同第二点及び第三点については、論旨はいずれも刑訴四〇五条所定の事由に当る

ことを主張するものでないから、上告適法の理由とならない。

また記録を調べても本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い主文のとおり判決する。この判決

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は、被告人の公判廷内外の自白による採証の点に関し裁判官島保に反対意見がある

外、裁判官全員の一致した意見によるものであつて、島裁判官の反対意見は前掲の

昭和二三年(れ)第一七四四号事件の判決記載のとおりである。

昭和二六年七月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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