大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)542 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人出野泰男の上告趣意について。

被告人の自白の外に他の証拠をも綜合して犯罪事実を認定した場合には、たとえ

犯罪事実の一部分の認定については被告人の自白以外に他の証拠がないとしてもこ

れをもつて犯罪事実を被告人の自白のみによつて認定したものと言い得ないことは、

当裁判所大法廷判決の示すところである(昭和二二年(れ)一五三号同二三年六月

九日判決、昭和二三年(れ)一四二六号同二四年一〇月五日判決)。それゆえ原審

が被告人の自白の外に本件被害者の側から提出された詐欺被害顛末を記載した書面、

被告人が本件犯行によつて騙取した精米等の物品の種類数量等の一部分の記載され

た家庭用主要食糧購入通帳等を証拠として本件犯罪事実を認定している以上、原判

決は憲法三八条第三項に違反するものでないこと前記大法廷判決に徴し明らかであ

る。その他の論旨は原審の事実誤認若しくは量刑不当を主張するものであるから上

告の適法な理由に当らない。

よつて、本件上告を理由ないものと認め刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条により

裁判官全員の一致した意見をもつて主文のとおり判決する。

昭和二六年七月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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