大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)684 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人井出甲子太郎の上告趣意第一点について。

原審公判調書によれば、第二回公判期日たる昭和二五年八月九日において判決言

渡の期日を同年九月一五日と指定されておるにかかわらず、同日公判が開かれずに、

同年九月二二日に開廷された経緯が明らかでないこと所論の通りであつて、その点

に手続上の瑕疵があることは遺憾である。しかし右の九月二二日の公判期日には裁

判長は訴訟関係人の異議ない旨の意見を聴いた上、本件裁判の言渡はこれを来る一

〇月一六日午前九時に延期する旨告げている。この公判には被告人も弁護人も出頭

していなかつたこと所論のとおりであるが、検事は出頭していたのであるから、「

訴訟関係人の異議ない旨の意見を聴いた」という記載があつたからとて、必ずしも

不合理ではない。仮りにこの日の公判が適法に開かれたものでなかつたとしても、

裁判長が公判期日の変更をすることは、必ずしも法廷ですることを必要としないの

であるから、公判期日を一〇月一六日に延期したことを違法とする理由はない。そ

うして裁判所書記は九月二六日に右変更決定書の謄本を被告人及び弁護人両名に送

達し、一〇月一六日に被告人及び弁護人両名共出廷して判決の言渡を受けたのであ

る。そうだとすれば原審の手続に上記のような瑕疵があつたからとて、これを以て

判決の言渡自体を違法ということはできない。なお公判調書に一〇月一六日の公判

を「第五回公判」と記載してあるのは「第四回」の誤認であることが明らかである。

よつて論旨は採用することができない。

同第二点一について。

原審公判調書によれば判事後藤師郎は裁判長ではなかつたのであるから、原判決

署名欄の「裁判長」判事後藤師郎という記載は判事後藤師郎の誤記であること明ら

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かである。よつて論旨は採用できない。

以上の理由により旧刑訴四四六条に従い裁判官全員一致の意見を以て主文のとお

り判決する。

検察官 石田富平関与

昭和二六年七月三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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