大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)71 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人工藤愼吉の上告趣意第一点について。

原判決が証拠として挙示しているキヤノル四〇個(巻煙草)が、本件においてA

方の家宅捜索の際に押収されたものであることは、被告人自身原審公判廷において

明白に認めているのであるから、たとえ逮捕手続書、領置書その他に所論のような

記載があるとしても、右キヤノル四〇個のうち一〇個が本件において押収された品

でないと即断することはできない。従つて、原審が押収に係るキヤノル四〇個の存

在と原判決に挙示するその他の証拠とを綜合して原判示のようにキヤノル四〇個の

所持の事実を認定しても虚無の証拠によつて事実を認定した違法のないことは言う

までもない。所論は、結局原審の裁量に属する証拠の取捨判断を非難することにな

るのであつて、これを採用することができない。

同第二点について。

証拠調の限度をいかに決定するかは、事実審たる原審の自由裁量に委ねられてい

るところであつて、本件につき所論の証人Aを取り調べなかつたからといつて、所

論のように審理不尽の違法があるとはいえない。それゆえ、論旨は理由がない。

よつて、旧刑訴四四六条により裁判官全員の一致した意見によつて主文のとおり

判決する。

検察官 渡部善信関与

昭和二六年四月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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