大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)78 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人今西貞夫の上告趣意は末尾添附の書面記載のとおりであつてこれに対する

当裁判所の判断は次のとおりである。

第一点について。

原審公判調書によれば、被告人は原審相被告人Aから本件オートバイを買受ける

について、同人から「進駐軍の兵隊が私物のオートバイを持つているのだが本国へ

帰還するについて持つて帰えれないから売却して土産物を買い度いとのことでこの

兵隊から売却方を頼まれたものであるが進駐軍の持つておるもので決して怪しいも

のではない」といわれたので、それを信用して買つたと述べている。然し右は本件

オートバイはたまたま盗難品であつたが被告人としてはそれが怪しい物(盗賍品)

とは知らなかつた趣旨の供述に過ぎないこと原審公判廷における被告人の供述の全

趣旨に徴し明らかである。従つて本件について被告人は進駐軍兵隊の私物であるか

らこれを買受けても差支えないものと信じていたのであつて昭和二二年政令一六五

号違反の違法の認識を欠くとの論旨は当審において新に主張するに過ぎないもので

ある。しかもたとえ被告人が所論のように信じていたとしても犯意の成立に違法の

認識は必要としないものというべく原判決はその挙示の証拠によつて、被告人が本

件オートバイをそれが連合国占領軍将兵の財産に属することを知り乍ら買受け所持

した事実を認定しているのであつてもとより罪となるべき事実の認識に欠くるとこ

ろはなく原判決が被告人の犯意を認めたことに違法はなく論旨は理由がない。

第二点は量刑不当の主張であつて適法な上告理由とならない。

よつて、旧刑訴法四四六条に従い全裁判官一致の意見により主文のとおり判決す

る。

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検察官 十藏寺宗雄関与

昭和二六年四月二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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