大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(オ)195 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人椎津盛一の上告理由について。

仮処分が許されるのは仮処分債権者が本案の請求として仮処分債務者に対し要求

ができ且つ執行できる範囲内の事項であることを要するのは言をまたない。そして

本件仮処分の本案の訴訟物が本件土地賃借権であることは原審の確定するところで

あつて、土地の賃借人はたとえ目的土地の売却の結果自己の賃借権を買主に対抗し

得ないことが予期される場合であつても、賃貸人に対し賃借土地を他に処分しない

ことを請求する権利を有するものではない。従つて原審が所論のように判示して上

告人の主張を排斥したのは結局相当である。所論は独自の見解であり採るを得ない。

なお引用の大審院判例は本件に適切でない。

上告代理人長谷川毅の上告理由について。

所論の民訴七五八条は、仮処分の要件を具備する場合において、なすべき仮処分

の内容につき規定するものであつて、本案の請求として認められない事項について

も仮の処分を許容したものでないこと明らかである。所論は仮処分に関する法令の

解釈につき独自の見解を前提としてこれと異る見解に出でた原判決を非難するに名

を憲法違反にかりるものであつて、違憲の主張には当らない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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