最高裁判所第三小法廷 昭和26(オ)578 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人江口繁、山崎信義の上告理由は別紙の通りであるが、同論旨第二点所
論の検証調書には検証の結果として「検証の目的物(本訴宅地上に存する建物)は、
東方の道路から四間平方余の庭園を距てて建築された木造の相当堅固な二階建居宅
であつて、之を外部から又内部に入つて内部から見ると、恰も其の南側に隣接して
居る反訴被告経営のD旅館の建物と一体を為して居るかの如く巧に接続されて居り、
更に右目的物には玄関等の設置がなく外部との出入は専ら隣接のD旅館の建物を経
て行われ、而もその間に両者を区別すべき標識も全然なく、全くD旅館の一部とし
て利用されて居ることが認められた」旨、乃ち主として右建物の外見上、利用状況
上恰も一体を為して居る如く認められた旨記載されて居るのであつて、第一審裁判
官が検証目的物の本質的構造を仔細に検査し之を「構造上D旅館の建物と一体を為
しその構成部分を為して居るものと認めた」との趣意を表明したものではない。さ
れば、原判決には此の点につき所論の如き違法ありと為し難く又大審院大正五年一
一月二九日、同年(オ)第六七八号事件判決は本件に適切でない。その他の論旨は
いずれも「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」一号乃至
三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を
含む」ものと認められない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
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裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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