最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)159 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人鍛治利一の上告趣意第一点について。
論旨は、原審が事後審として審査をしたに止まるに拘らず、被告事件について更
に判決したのは憲法三九条後段に違反すると主張するに帰するが、同一事件におい
ては訴訟手続はその開始から終末に至るまで一つの継続的状態と見るべきであるか
ら、一審の手続も控訴の手続も同じ事件においては継続せる一つの危険の各部分た
るにすぎないことは、当裁判所大法廷判決の判例とするところである(昭和二四年
新(れ)二二号同二五年九月二七日大法廷判決、昭和二四年(れ)五九号同二五年
一一月八日大法廷判決)。それ故、所論の理由ないことは前記大法廷判決の趣旨に
徴し明らかであるのみならず、原判決は第一審判決が有罪と認定した事実の一部を
罪とならないものとして犯罪事実から取り除き、その他の犯罪事実を第一審の認定
したとおりに判示し、量刑においても第一審判決が懲役一年(三年間執行猶予)及
び罰金一〇万円に処したのを原判決においては懲役刑を言渡さず単に罰金一〇万円
に処して被告人の利益に判決を変更したのであるから、所論は原判示に副わない主
張であつて採用できない。
同第二点について。
論旨は、刑訴四〇〇条但書の解釈を争うものであつて、同四〇五条の適法な上告
の理由に当らない。
同第三点について。
貸金業等の取締に関する法律によつて、無届け貸金業者を処罰することが憲法に
違反しないことは、すでに当裁判所の判示したところである(昭和二六年(あ)八
五三号同二九年一一月二四日大法廷判決)。それ故、論旨の理由ないことは、右大
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法廷判決の趣旨に徴して明らかである。
また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和三〇年五月三一日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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