大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)1628 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人渕上義一の上告趣意第一点及び第二点について。

当裁判所の判例は、被告人本人の自白がなくとも、相被告人が被告人本人の犯罪

事実を供述し、その供述の架空でないことが被告人本人の供述その他の証拠によつ

て保障せられている場合には、これによつて被告人本人の有罪を認定し得るものと

している(昭和二四年(れ)第四〇九号同二五年七月一九日大法廷判決)。本件に

ついてみれば、第一審において共同審理を受けた共犯者Aは、被告人BがAと共謀

の上a町所有の金円の中から判示金額を横領してこれを貸借名義で受領した事案を

供述し、被告人Bも判示金円を借り受けた事実は認めている。そうして右のAの供

述は、被告人Bの供述その他第一審判決挙示の各証拠と相侯つて判示Bの犯罪事実

を証明するに足りるものと認められる。してみれば被告人を有罪とした第一審判決

を維持した原判決に所論のような違法又は違憲のかどなきこと、前記判例に徴して

明らかである。

なお憲法三七条一項に公平なる裁判所の裁判というのは、その組織構成等につい

て偏頗のおそれのない裁判所の裁判という意味であつて個々の事件につきその内容

実質が具体的に公正妥当な裁判を指すのではないこと当裁判所がしばしば判例(昭

和二二年(れ)第四八号同二三年五月二六日大法廷判決)として示したとおりであ

るから、原判決が憲法の右の条項に違反すると主張する所論は理由がない。また記

録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年八月一八日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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