大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)2016 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人高橋正平の上告趣意(後記)第一点について。

論旨前段は、単なる事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたら

ない。後段は、原判決が東京高等裁判所の判例に違反すると主張するのであるが、

その論拠とする、被告人が共同被告人Aが進駐軍の関係者であつて隠退蔵物資の捜

査摘発につき正当なる権限を有するものと信じていたという点について記録を調べ

て見ると、第一審判決も原判決も、被告人の所論権限に関する認識についてなんら

認定するところがないのみならず、かえつて右Aに所論のような権限のないことを

被告人が知つていた事実は、第一審判決の判示認定事実によつても(第一審判決引

用起訴状中の記載)、また第一審判決挙示の証拠中被告人の公判廷における供述(

記録三六丁)によつても優にこれを認めることができる。従つて所論判例違反の主

張は前提たる理由を欠くことに帰し、適法な上告理由とは認められない。

同第二点について。

論旨は、原判決に判断遺脱又は事実誤認があると主張するのであるが、所論共同

被告人Aの権限に関する主張が、第一点において説明したとおり成り立たないので

あるから、判断遺脱の主張は理由がなく、また事実誤認の主張は刑訴四〇五条の上

告理由にあたらない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二八年八月一八日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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