大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)2334 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人寺本直吉の上告趣意(後記)について。

論旨一は、原判決に憲法三八条三項の違背があるというのであるが、このような

主張は原審でなされず従つてその判断を経ていないのであるから適法な上告理由と

ならない。のみならず、第一審判決挙示の証拠は、たとい所論のように日時等につ

いて多少相違するものがあつても、被告人の自白を補強するに足りると認められる

のであるから、第一審判決は被告人の自白を唯一の証拠としたものではないので違

憲の主張は前提を欠き問題とならない。

論旨二、三中には違憲の語句も存するが、その実質は事実審の裁量に属する証拠

の採否並びにこれに基く事実の認定を非難するに帰し、適法な上告理由には当らな

いので採用できない。なお、本件には刑訴四一一条を適用すべき事由も認められな

い。

よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条を適用し裁判官全員の一致

した意見で主文のとおり決定する。

昭和二八年一一月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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