大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)237 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人清瀬一郎同内山弘の上告趣意(後記)について。

原判決の認定説示するところによれば、被告人はA診療所長として他人の所有す

る麻薬を業務上保管していた者であり、しかもこれを医師たる同診療所長として同

診療所における正規の医療行為のためにのみ使用する権限を有するに過きず、これ

を自己又は妻の麻薬中毒症状緩和のため自宅に持ち帰ることは同診療所長の権限内

の所為でなかつたというのであるから、被告人が判示のように麻薬を自宅に持ち帰

つたことは業務上横領罪となること原判決の説明するとおりである。論旨引用の大

審院判例は、通常の委任若しくは事務管理に関するものであつて本件と事実関係を

異にするから適切でない。それ故原判決には所論のような判例違背は認められない。

よつて、本件上告を理由ないものと認め、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員の一

致した意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年六月三〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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