最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)2677 判決
主 文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理 由
被告人弁護人松尾菊太郎の上告趣意(後記)について。
同第一点について。
所論憲法違反の主張は、原審において主張されず、従つて判断を経ていない事項
であるから、適法な上告理由とならないばかりでなく、第一審判決挙示の証拠によ
れば、本件物件が盗品であり、また被告人がその情を知つていたことが十分に認め
られるから、論旨主張の前提をも欠くことに帰着する。
同第二点について。
所論判例違反の理由も、原審で主張されず、判断を経ていない事項であるから、
適法な上告理由にあたらない。のみならず第一点において説示したとおり、論旨の
主張自体その前提を誤つているから引用の判例に違反するところもない。
同第三点について。
所論憲法違反の理由も原審で主張されなかつた事項である。のみならず第一審判
決挙示の証拠を記録により検討して見ると、被告人の自白だけで犯罪事実を認定し
たのでなく、他に十分な補強証拠があることが認められる。論旨は証拠の価値判断
につき独自の見解を主張するのであつて、違憲の理由は前提を欠き適法な上告理由
と認められない。
弁護人高橋正平の上告趣意(後記)第一点ないし第四点について。
所論第一点第二点は事実誤認又は法令違反、第三点は採証法則違反、第四点は量
刑不当をそれぞれ主張するのであつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。ま
た記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとも認められない。
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よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す
る。
昭和二八年九月二二日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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