大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)279 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用(被告人Aの国選弁護人高田二平に支給した国選

弁護料の二分の一)は被告人Aの負拠とする。

理 由

被告人B弁護人岡崎源一の上告趣意(後記)について。

所論第一点について、本件における第一審の差戻前の判決が、被告人に懲役一年

執行猶予三年を言渡したのに対し、控訴審が刑の量定軽きに失するとして破棄差戻

したところ、第一審が更に審理の上被告人に懲役八月を言渡したのは、所論のとお

りである。しかし差戻後の第一審が差戻しの趣旨によつて更に審理を行い判決を言

渡すのは、裁判所法四条に従う下級裁判所の当然の責務であり、また憲法七六条三

項末段に定める要請であるのみならず、差戻後の第一審において、差戻前の裁判官

と異なる裁判官が新たなる審理を遂げた上、実刑に処するを相当と判断して本件判

決を言渡したことについて、裁判官の良心と独立に欠けるところがあると解すべき

なんらの事由も認められない。従つて、第一審判決を維持した原判決が憲法七六条

に違反すると主張しても、その前提となる事実を欠くことに帰し、結局論旨は刑訴

四〇五条の適法な上告理由と認められない。また所論第二点は、単なる量刑不当の

主張であつて適法な上告理由にあたらないのみならず、所論に基き記録を調べても

刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

被告人Aの弁護人高田二平の上告趣意(後記)について。

所論第一点は単なる事実誤認法令違反の主張に過ぎず、同第二点は量刑不当の主

張であつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また刑訴四一一条を適

用すべき事由も認められない。

被告人Cの弁護人小津茂郎の上告趣意(後記)について。

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所論第一点は、原審の証拠の取捨判断を非難し事実誤認を主張するのであつて刑

訴四〇五条の上告理由にあたらない。(なお記録を調べて見ると被告人の犯罪事実

は、原判決の説明する第一審判決挙示の証拠によつて優にこれを認めることができ

る。)また所論第二点は法令違反の主張であつて適法な上告理由にあたらない。ま

た刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二八年七月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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