大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)3120 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人橋本千代雄の上告趣意について。

論旨は、原判決が被告人の自白を唯一の証拠として前科を認めたのは憲法三八条

三項違反であるというのであるが、憲法三八条三項は、或る犯罪につき被告人を有

罪とするには自己のほかに他の証拠を必要とする趣旨を明らかにしたものであり(

昭和二三年(れ)一四二六号同二四年一〇月五日最高裁判所大法廷判決)、また被

告人の前科は罪となるべき事実ではないから必ずしも証拠によりこれを認めた理由

を示す必要はないのである(昭和二三年(れ)七七号同二四年五月一八日大法廷判

決)。これらの判例によれば論旨の理由のないことは明らかである(昭和二五年(

あ)三六一号同二五年一〇月一〇日第三小法廷判決参照)。 また記録を調べても

刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二八年一一月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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