大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)3441 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人長島忠信の上告趣意(後記)について。

論旨は憲法三八条三項違反を主張するが被告人の自白と補強証拠と相俟つて全体

として犯罪構成要件たる事実を認定し得られる場合には必ずしも被告人の自白の各

部分について一々補強証拠を必要とするものでないことは既に当裁判所大法廷の判

例とするところである(昭和二三年(れ)第七七号昭和二四年五月一八日判決、集

三巻七三四頁参照)。第一審判決は所論被告人の各自白の外に他の証拠を挙げそれ

等を綜合して本件犯罪事実を認定しているが右自白以外の補強証拠を検討すれば優

に被告人がAと共謀して本件犯罪を敢行した旨の自白その他非登録者である被告人

が不正表示医薬品の製造を業としてなした点に関する被告人の自白が根も葉もない

架空のものでないことを認めるに足るのであるから原判決が被告人に不利益な唯一

の自白によつて本件犯罪事実を認定した旨の所論は当らないばかりでなく仮りに右

共謀の点等についての直接の補強証拠が存しないとしてもその為に原判決が直に憲

法三八条三項に違反するものでないことは前掲の判例によつて疑いのないところで

ある。以上を要するに所論違憲の主張は畢竟その前提を欠き理由のないものといわ

なければならない。

なお記録を精査したが刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二八年一〇月二〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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