大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)3601 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人宮良寛雄の上告趣意(後記)について。

被告人の自白は、それのみでは被告人を有罪とすることができないというだけで

あつて、補強証拠があれば被告人の自白も証拠となることは言うまでもない。言い

かえれば、他の証拠により被告人の自白の架空でないことが確められゝばその自白

によつて犯罪事実を認定し得ることは当裁判所判例のしはしば示すとおりである。

本件において第一審判決の挙示した証拠、殊に検察官事務取扱副検事作成の被告人

供述調書によれば、被告人は昭和二六年六月初旬頃米麹二斗五升白米三斗位の蒸米

に約水一石位を加えこれを醗酵させて約一石四斗位の醪を作り、うち七斗を蒸溜し

て酒精分二十三度位の焼酎約一斗九升五合位を製造して他に販売し、残り七斗の醪

は同月中旬頃蒸溜して酒精分二十三度位の焼酎約一斗九升五合位を製造して所持し

ておるところを押えられたと供述している。そして右押収の焼酎は存在しており、

その換算酒精分が二十三度六分であることは第一審判決挙示の証拠により肯認し得

られるのであるから、被告人の前記供述の全部はこれらの証拠により補強されてい

るものと認められる。されば被告人の自白のほかこれらを補強証拠として所論第二

事実(一)を認定した第一審判決は被告人の自白のみで犯罪事実を認定したもので

はない。それ故、被告人の自白のみで第二事実(一)を認定したことを前提とし右

第一審判決を是認した原判決の違憲違法を主張する論旨はその前提を欠くことによ

り理由がない。

よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二八年一二月八日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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