最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)3767 判決
主 文
原判決を破棄する。
被告人を免訴する。
理 由
弁護人奥江秀一、同伊東三郎の各上告趣意は、末尾添附のとおりである。
職権により調査すると、被告人は漁船Aの船長であり、Bは海産物のり商を
営む者であるが、CことDと共謀の上、免許を受けずして北緯三〇度以南である南
西諸島へ貨物を輸出しようと企て、右宗において同島方面向密輸出貨物の募集を引
請け、同人において募集した起訴状末尾添附の別表(一)ないし(八)の貨物を昭
和二六年四月三〇日鹿児島港において同島向右Aに積載して右貨物の輸出をなした
ものであるとの関税法違反の公訴事実については、右北緯三〇度以南の南西諸島は
右行為当時において、関税法の適用上外国とみなされていたのであるが、昭和二八
年一二月二五日以降右地域は外国とみなされなくなり、本邦の地域とされることに
なつたので、同日以降は右公訴事実のような関税法違反の罪については、原判決後
の法令により刑が廃止されたときに該当するものと解すべきこと昭和二五年(あ)
第二七七八号同三二年一〇月九日言渡大法廷判決及び昭和二七年(あ)第二四五六
号同三二年一〇月九日言渡大法廷判決の趣旨に徴し明らかである。
よつて、弁護人らの上告趣意に対する判断を省略し、刑訴四一一条五号を適用し
て原判決を破棄し、同四一三条、四一四条、四〇四条、三三七条二号により被告人
に対し免訴の言渡をなすべきものとし、裁判官島保の反対意見を除くその余の裁判
官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
裁判官島保の少数意見は、被告人の本件関税法違反の罪については、犯罪後の法
令により刑の廃止があつたものではないというのであつて、昭和二七年(あ)第二
四五六号同三二年一〇月九日言渡大法廷判決記載の反対意見のとおりである。
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検察官 井本台吉出席。
昭和三二年一二月一〇日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 垂 水 克 己
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