大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)3991 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告本人及び弁護人安井源吾の上告趣意(後記)について。

所論は、いずれも事実誤認又は量刑不当を主張するものであつて、刑訴四〇五条

の上告理由に当らない。

弁護人樫田忠美同八広悟一の上告趣意(後記)第一点について。

原判決の是認した第一審判決第二の事実によれば、被告人は岡山県知事の許可を

受けないで営利の冒的でA外一名を被告人方に宿泊せしめ以つて人を宿泊させる営

業を営んだというのであるから、旅館業法三条に違反し同一〇条の罰則に触れるこ

と多言を要しない。されば、原審は所論のように法律の解釈を誤つたものでもなく、

また法律に正条のない行為を処罰したものでもないので違憲の主張は前提を欠き問

題とならない。

同第二点について。

論旨は、原判示第一の事実と第二の事実とは一罪の関係に在るに拘らず一つの行

為を二つの行為として重ねて処分するのは憲法三九条に違反するというのであるが、

原判示のように婦女に売淫させることを内容とする契約をした行為と人を宿泊させ

る営業を営んだ行為とは、それぞれ別個の行為であつて別罪を構成するこというま

でもない。されば、右行為が一個であり一罪であるとの独自の見解に基く違憲論は

その前提を欠き問題とならない。

同第三点及び第四点について。

所論の事実は、いずれも控訴趣意として原審で主張されず従つて原審の判断を経

ていないのであるから上告の適法な理由とならない(所論第三点の差押許可状が記

録に綴られていない一事をもつて本件の場合が許可状に基かない差押であると即断

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し得ないばかりでなく、被告人及び弁護人は第一審公判廷で右差押調書を証拠とす

ることに同意しておりその違法を主張しなかつたこと記録上明らかである、所論第

四点の主張は刑訴四〇五条に当らないばかりでなく、新刑訴の下においては司法巡

査も司法警察職員中に含まれるのであるから司法巡査といえども供述調書を作成す

ることができるのである、なお所論自白調書は他の証拠が取調べられた後に取調べ

られたことも記録上窺われる、されば所論のような違法はすべて認められない)。

同第五点について。

所論は量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の事由に当らない。また記録を調べ

ても本件には刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二八年一二月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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