大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)4235 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人島秀一の上告趣意(後記)第一点について。

所論は、憲法違反というものゝその実質は単なる法令違反の主張であつて、刑訴

四〇五条の上告適法の理由に当らない(昭和二七年五月三一日農林運輸省令第二号

により同年六月一日以後小麦の移動禁止が解かれその点において小麦に関する統制

が廃止されたことは、所論のとおりである。しかし小麦が食糧管理法施行規則にい

わゆる主要食糧から除外されてもすでにその前に成立した主要食糧(小麦)輸送罪

に対する刑が廃止されたものということのできないことは、当裁判所の従来の判例

の趣旨とするところであつて、今これを変更する必要がない―昭和二三年(れ)八

〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決、集四巻一〇号一九七二頁、昭和二四年(

れ)二四七一号同二六年三月二二日第一小法廷判決、集五巻四号六一三頁参照)。

同第二点について、

食糧管理法が憲法二五条に違反するものでないことについては、すでに当裁判所

大法廷判決の示すとおりである(昭和二三年(れ)二〇五号同年九月二九日大法廷

判決、集二巻一〇号一二三五頁参照)。それゆえ論旨は理由がない。

よつて、刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、論旨第一点に対する裁判官井上登同小林俊三の少数意見を除くほか

裁判官一致の意見によるものである。

裁判官井上登同小林俊三の意見は、被告人の第一審判決判示の裸玄麦輸送の所為

は、昭和二七年五月三一日食糧管理法施行規則二九条のその後の改正により禁止を

解かれて処罰されないことゝなつた結果、犯行後にいわゆる刑の廃止があつた場合

に当ると解すべきであるというのである。なお、裁判官井上登の意見の詳細は、昭

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和二三年(れ)八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決において述べたところと

同趣旨であるからこれを引用する(集四巻一〇号一九八九頁)。

昭和二九年二月一六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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