大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)4396 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人真田幸雄の上告趣意(後記)は、憲法三七条違反をいうけれど

も、実質は量刑不当の主張に帰するものであつて、上告適法の理由にならない(憲

法三七条一項の「公平な裁判所の裁判」の意義について、昭和二二年(れ)第四八

号同二三年五月二六日大法廷判決、集二巻五号五一一頁)。

被告人Bの弁護人斎藤実の上告趣意(後記)第一点について。

原判決の是認した第一審判決の判示第二の事実は、同判決挙示の各証拠により十

分肯認することができる。所論は事実誤認、訴訟法違反の主張に帰し、刑訴四〇五

条の上告理由に当らない。

同第二点について。

記録によると弁護人が、第一審において、被告人の精神状態について精神鑑定を

申請した形跡はなく、原審第二回公判期日において、斎藤弁護人から、被告人の本

件犯行当時の精神状態について立証のため、(一)、証人C病院内医師Dの取調べ、

(二)、被告人の精神鑑定の各請求がなされたが、右証拠調請求は却下されている。

そして弁護人の右証拠調の請求には、第一審の弁論終結前に取調を請求すること

ができなかつた証拠である事由を疏明する資料が提出されていない。

現行法上控訴審はいわゆる事後審と認められているのであつて控訴審における事

実の取調は第一審判決の当否を判断するに必要な範囲にかぎられるのであり、その

必要の有無は刑訴三九三条一項但書の場合を除き裁判所の裁量に委ねられている(

昭和二六年(あ)第一四一八号同年九月六日第一小法廷判決、集五巻一〇号一九〇

一頁)。

されば、本件につき原審が弁護人の証拠調の請求を却下したことは正当であると

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認められるから、所論は憲法三一条違反をいうけれども、その実質は訴訟法違反の

主張に帰し上告適法の理由にならない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号、により主文のとおり決定する。

この決定は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二九年一月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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