大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)4491 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人海野普吉、同位田亮次の上告趣意(後記)第一点について。

所論は、被告人Aの司法警察員Bに対する第一、二回供述調書が任意性を欠くと

いう理由をもつて、これを断罪の資料とした原判決が刑訴三一九条、憲法三八条二

項に違反すると主張するのである。しかし記録を調べてみると、右被告人は検事弁

解録取書(記録五二二丁)、同検事第一回供述調書(記録五二三丁)のいずれにお

いても、前記警察における供述調書を争つていないばかりでなく、第一審の公判に

おいても、前記警察における供述調書の任意性を争つた記載は認められない。そし

て弁護人は最終弁論において被告人の供述調書の任意性なき旨の主張をしているけ

れども、原判決の挙示する証拠特に第一審証人Bの供述によつても、被告人の前記

警察における供述調書が不任意に作成されたものとは到底認めることはできない。

また論旨は被告人が当時病状にあつたことを主張し、記録上その事実は認められな

いことはないが、そうだとしても、単にそれだけのことで前記警察における供述が

強制、拷問、又は脅迫によるものと即断することはできない。されば原判決には刑

訴法違反はなく、所論違憲の主張は前提たる事実を欠くことに帰し、適法な上告理

由と認められない。

同第二点について。

所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(そし

て原判決の記載と挙示の証拠とを綜合してみれば、原判決の認定は正当であつて、

論旨は独自の見解により原審の証拠の取捨判断と事実認定を争うに過ぎない。)

同第三点について。

所論は、法令違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。〔なお所

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論検書第三五号は記録上、一審公判において検察官より事実認定のための証拠とし

て証拠調の請求がなされ適法に証拠調がなされたものであることが明らかである。

(記録二三〇丁、二七一丁以下)〕

その他記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年一月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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