大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)4689 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Bの弁護人原田頼吾の上告趣意について。

所論は、量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録

を調べても刑訴四一一条所定の事由は認められない。

被告人Cの弁護人岡田政司の上告趣意について。

所論は、るる述べているけれども、その趣旨とするところは、原審が本件A不動

産株式会社増資新株式申込証拠金領収書を有価証券と判示したことは、論旨引用の

大審院判例に反するものであり、法令の解釈を誤つたものであるというに帰する。

しかし、或る種類の証書が刑法一六二条所定の有価証券に当るか否かは、その種類

の証書毎に個別的に判断することを要することはいうまでもない。従つて、或る種

類の証書が有価証券であると判示した裁判を判例違反であると主張する場合に、判

例がこれと異なる種類の証書を有価証券であると判断した際になされた一般的説明

を引用し、右説明に反すると主張するだけでは十分でない。本件において原審はA

不動産株式会社増資新株式申込証拠金領収書が刑法一六二条所定の有価証券に当た

ると判示したのに対して、論旨は大審院判例を引用して原審がこれらの判例と相反

する判断をしたものと主張するのであるが、引用の大審院判例はいずれも株式会社

増資新株式申込証拠金領収書に関するものではないので本件に適切でないばかりで

なく、原判決は引用の判例の説示する趣旨を否定するものでないこと判文上明らか

である。されば、原判決が論旨引用の判例と相反する判断をしたとの所論は採るを

得ない。なお、記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三四年七月一四日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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