大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)4885 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名の弁護人渋谷又二の上告趣意(後記)について。

所論は、第一審第五回公判調書中に、検察官が取調を請求したAの第一回乃至第

三回供述調書について、弁護人が「同意」すると述べたと記載してあるのは、刑訴

三二八条による証拠とすることに同意した趣旨にすぎないというのであるが、右公

判調書上、検察官の右取調請求が刑訴三二八条に基くものであり、また弁護人の「

同意」が所論のような趣旨にすぎないことをうかがわせるような記載は何一つない。

所論は、右供述調書については、さきに第二回公判期日において、被告人側の異議

により、検察官がその取調請求を撤回していることを根拠とするけれども、その後

Aは証人として公判期日外及び第五回公判期日において取調を受け、右供述調書と

大体同じ趣旨の検察官側に有利な証言をし、その第五回公判期日における尋問終了

直後に、検察官が他の証拠書類等と共に右供述調書の取調請求をしているのである

から、Aの証言の証明力を争うためにその供述調書の取調請求をしたはずはないし、

また他方この段階では被告人側でこれを事実認定の証拠とすることに同意すること

もありうることなのである。されば、公判調書に刑訴三二八条による証拠とするこ

とに同意した趣旨の記載がなく、単に同意すると記載してある以上、前記「同意」

が刑訴三二六条にいう同意を意味するものであることは、公判調書上明白というべ

きである。従つて所論憲法三七条違反の主張はその前提を欠き理由がない。また記

録を調べても本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二九年三月九日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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