大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5195 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人塚本重頼の上告趣意(後記)第一点について。

論旨は、原判決の法令違反を前提とする違憲の主張であるが、原判決によると、

原審は弁護人提出の控訴趣意のみについて判断を与え、被告人提出のものには何等

の判断を示していないことは所論のとおりである。しかし、これら控訴趣意はいず

れも量刑不当の主張であつて、特に被告人提出のものはその内容も簡単で、弁護人

提出の控訴趣意中に含まれているものと認むべき性質のものである。従つて原審の

右の如き弁護人提出の控訴趣意に対する判断により、実質的には被告人提出のもの

に対しても判断を与えたこととなつているのであるから、被告人提出の控訴趣意に

対し形式的に判断が与えられていないからといつて、原判決を破棄しなければ著し

く正義に反するものということはできない。所論違憲の主張は結局その前提を欠く

ことゝなり採用するを得ない(当裁判所昭和二五年(あ)第一四四号同二五年七月

六日第一小法廷判決集四巻七号一二〇五頁。昭和二六年(あ)第九二一号同二六年

八月九日第三小法廷判決参照)。

同第二点及び被告人本人の上告趣意について。

論旨は結局量刑不当の主張で、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二八年四月一四日

最高裁判所第三小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!