大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5774 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人安藤一二夫の上告趣意について。

所論一は、所持に関する原判決の解釈を非難し、これを前提として覚せい剤取締

法一四条一項が憲法一三条に違反すると主張する。しかし原判決は、「同法条にい

わゆる所持とは一定の人が一定の物を事実上支配する立場にある場合を総称し必ず

しもその所有権を有することを必要としないのである」云々と判示しているのみで、

所論のいわゆる善意の第三者についてなんら言及しているのではない。また所論は、

被告人は荷物に覚せい剤が入つていることは知らなかつた(所論の善意の第三者の

意味と認められる)と主張するが、原審は「原判示事実はその挙示する証拠を綜合

すれば優に認定し得るところである」と判示しているのであつて、所論はこの認定

に反する独自の事実に立つ主張に過ぎず、違憲の論旨は前提を欠くことに帰する。

所論二は、原判決は、本件において検察官からも控訴の申立があつて同じくこれ

を棄却したにかかわらず、被告人に刑訴一八一条一項により訴訟費用の全額の負担

を命じたことは、同条項の解釈を誤つた違法があるとし、ひいて違憲の主張をする。

しかし所論刑訴一八一条三項の規定は検察官のみが上訴した場合の規定であるから、

同条一項を直ちに所論のように解することはできないのみならず、本件においては、

被告人の控訴により生じた国選弁護人に関する費用の負担を命じたにすぎないので

あるから、所論は前提において採用できない。

その他記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

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昭和三〇年四月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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