大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5810 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意について。所論は先ず被告人の司法警察員に対する供述は強制、

拷問に基くものであると主張するが、原判決は本件記録によればそのような事実は

認められないと判断しているのであるから、所論は原判決の右認定を争うものに過

ぎず、しかも記録によれば原判決の右の判断は充分首肯できるのであつて被告人の

該自白が強制拷問に基くものとはとうてい認められないからこの点の論旨の理由の

ないことは明らかである。その余の所論は憲法違反を云為するところもあるが、結

局実質においてすべて事実誤認若しくは第一審及び原審のした証拠の証明力に対す

る判断を非難攻撃するものであつて適法な上告理由とならない。(なお所論の鑑定

書の中被告人に不利益なものも第一審判決においては有罪認定の証拠とされていな

い。)

弁護人斎藤忠雄の上告趣意について。

論旨は先ず第一審判決は被告人の自白を唯一の証拠として犯罪事実を認定したと

いうのであるが、第一審判決は被告人の自白の他にその挙示引用の各証拠を補強証

拠として挙げているのであるからこの点の論旨は既に前提において失当である。次

に、被告人の司法警察員及び検察官に対する自白は強制拷問に基くと主張する点に

ついては被告人の上告論旨について判断したとおりであつて、本件記録に徴するも

かゝる強制拷問の事実はとうてい認められないから、この点の論旨も理由のないこ

と明らかである。その余の論旨は、適法な上告理由とならない。(なお被告人の自

白の時期が所論のとおりであつてもその一事を以つてその自白の任意性を否定する

理由とならないことは当然である。)

なお、記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。

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よつて、同四〇八条により全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年三月二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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