大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)6056 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人高本満の負担とする。

理 由

被告人B弁護人武山秀夫の上告趣意(後記)第一点について。

所論は、法令違反の主張に過ぎないから刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そ

して本件被告人の所為は、所論の大赦令第一条八三及び一一七により大赦に当る罪

から除かれていること明らかであるから、論旨の理由もない。

同第二点について。

所論は、原判決に審理不尽があるとし判例違反を主張するのである。しかし原判

決の是認する第一審判決挙示の証拠を判示と照合してみると、犯罪事実を認めるに

十分であつてなんら審理不尽の違法は認められない。特に被告人の犯意につき所論

の指摘する被告人の弁解の部分については、すでに原審がかかる弁疏は到底措信す

ることができないと判断しているのであるから、結局所論は、証拠の取捨判断を非

難するに過ぎない。また所論引用の判例は、法律上犯罪の成立を阻却すべき客観的

事実の存在を誤信したるときに当るとする事案であつて、基本たる事実関係を異に

し、本件に適切でない。

被告人C弁護人鈴木秀雄の上告趣意(後記)について。

所論は憲法三八条刑訴三一九条違反を主張し、その論拠として捜査官A作成の犯

罪捜査報告書は証拠能力を欠き被告人の自白に対する補強証拠たり得ないというに

帰する。しかし右報告書(英文及び翻訳文)は、原判決の判示するとおり、第一審

判決が、これを刑訴三二一条一項三号の要件を具備する書面に当るものと認めたこ

とは正当であつて、その判断に誤りはない。従つて右報告書は証拠能力がないとい

う見解を基礎とする違憲の主張は、その前提を欠くことに帰し、採用することはで

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きない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条、一八一条(被告人Cにつき)により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり判決する。

昭和二九年四月二〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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